無荒史談5-古代豪族蘇我氏の滅亡 ― 2007/11/02 18:58
古代豪族蘇我氏を滅ぼしたのは天智天皇である。天皇は即位前に蘇我入鹿(蘇我氏の嫡子)を殺し次いで軍を率いて蘇我氏を滅ぼした。自ら武器を持って人を殺した天皇は何人かいるが天智天皇はその一人である。古代では雄略天皇が即位前に兄弟や従兄を手を下して殺したことが記紀に示さ示されている。反正天皇は、自ら使った刺客を殺している。
蘇我氏は崇峻天皇や山背大兄皇子など有力皇族の殺害に関与しているが、天智天皇はノーマークであったように日本書紀からは読み取られる。天智天皇が日本書紀に大きく取り上げられるのは入鹿暗殺の直前である。蘇我氏は天智天皇の動きには気付いていなかったとしか思えない。
蘇我氏は天皇を伺ったとされているが、その基盤は貧弱であり、蘇我入鹿の暗殺後は多くの氏族が蘇我氏を離れ皇室側に寝返っている。蘇我入鹿の専横に対して反感を持っていた氏族が多かったと思われる。また、蘇我氏の傍系の氏族も本家に背いている。
皇室は革新的な立場を取っていた。遣唐使で留学した人物が多く大化の改新の主力メンバーになっている。大化の改新が目指した政府組織には、古代豪族の席はない。改新を始める前には古代豪族は全ていなくなる必要があったと思われる。
古代豪族の立場を放棄した氏族-大伴氏、紀氏、巨勢氏など-はこの事件の後も生き残った。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。