無荒史談69-院政の上皇-元正上皇2008/04/11 18:56

本来の皇位後継者と見られていた聖武天皇を差し置いて姉の元正天皇が即位された。その後の聖武天皇の生き様から見ても、元明上皇は聖武天皇に不安を抱かれていたと思える。

元正天皇は10年の治世の後、聖武天皇に譲位された。しかし、現実には共同統治に近い関係であった様だ。

史実を見る限り、聖武天皇には「だだっ子」的な面が多いし、時に精神的な弱さも散見される。元正上皇がこれを補っていたとも思えるが、時には対立したとも思える事実もある様だ。可成りの政治上の問題では上皇の方がリーダーシップを取っていたとも解される。

元正上皇の崩御後、1年後に聖武天皇は病気を理由に孝謙天皇に譲位している。姉の上皇不在では政務に耐えられなかったのかも知れない。