無荒史談97-天皇機関説考-武家政治時代2008/07/04 19:04

鎌倉、室町、桃山、江戸の各時代は、武家政治である。この時代の天皇の役割は武家の頭領に政治の全権を認めることだけである。ただ、この権限は絶大なものであり、その反対給付として、皇室の儀式や生活を全面的に支援しなくてはならなかった。足利幕府が衰えた戦国時代は、幕府がこの反対給付をする力が無くなり、皇室を初め諸貴族は貧窮のどん底に陥った。

南北朝時代の後醍醐天皇は、親政を志したが、実務の不手際は覆い隠すべき手段もなく、乱世にならざるを得なかった。

この時代も天皇は機関の役すらも出来なかったのである。将軍の任命の儀式、しかも次の将軍は武家の都合で決められている、だけが仕事であったのである。しかし、将軍は天皇から任命されなければ、部下の大名に睨みを効かせることは出来なかったのである。