無荒史談99-天皇機関説考-大日本帝国憲法 ― 2008/07/10 19:48
大日本国憲法-明治憲法-が発布され、天皇について基本的な考えが纏められた。この為に憲法についての論議が漸く可能となってきた。「天皇機関説」はこの中から生まれてきたものである。
「天皇機関説」は多くの学者や実務家に受け入れられ、明治時代には主流の学説として考えられていた。
明治憲法の特徴として4権分立がある。3権分立は、立法、司法、行政であるが、明治憲法ではこれに統帥(軍事)が同格に入っていた。シビリアンコントロールでは、統帥は行政の下部組織であり、軍事政権下では統帥が他の3権の上位に来るのである。
4権分立の他国の例はあまり無い。プロイセンくらいであろう。日本もそうであったが、このシステムは軍事が優先しやすいのである。
明治憲法で曖昧にされていたのが、暗君の出現時の取り扱いである。身心的にひ弱であった大正天皇の時代が、この問題に取り組む好機ではあったが、現実には進展は見られなかった。
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