無荒老人の放言録

北朝鮮の外交作戦には一つの傾向がある。

彼らは妥協すると見せかけて、妥協したことを実行しない為の口実を探しているのである。今回のキムガンサン事件もその範囲内で行われたのであろう。約束を履行しない口実を大韓民国に押しつけようとする行動の一つである。

無荒老がもっとも腹を立てているのは、ブッシュ政権が同じ手口に何度も嵌っていることである。そのつもりで数えれば多くの米国の妥協が空手形を掴まされたことに気付くであろう。

日本人拉致問題は彼らから見れば「空手形」の切りそこねである。これ以上妥協する気は今のところないであろう。

核開発に関する査察に素直に応じるとは思えない。いかにして援助を食い逃げするかを考えていると思って間違いない。

この考えに意義があるのなら、まず完全に核関連事項を公開し、世界が信義ある行動を取ることを確認するのが筋である。自分が援助の食い逃げに汲々としているからと言って世界が信用できない行動を取ると思うのはおかしいのである。

ギブアンドテイクに関して食い逃げを試みるのは次のギブを諦める覚悟が必要である。ところが簡単に次のギブを考えているブッシュ政権の行動は不可解である。要するに北朝鮮になめられているのである。