無荒史談105-怨霊物語-奈良時代まで2008/07/29 19:27

奈良時代までは多数の怨念を抱いて死んだ人物がいるが、死後怨霊として扱われた人物はいないのである。代表的な人々は次のようである。

蘇我馬子の家臣に殺された崇峻天皇

大化の改新のクーデターで殺された蘇我入鹿

天智天皇に迫害され自殺した有馬皇子

壬申の乱の敗者弘文天皇

持統上皇に謀反の罪で殺された大津皇子

謀反の嫌疑を掛けられ自殺した長屋王夫妻

謀反人として処罰された淳仁天皇、恵美押勝、橘奈良麻呂、藤原良継

これから見ると奈良時代までは、怨霊という概念が定着していなかったともいえる。怨霊は次の平安時代から急速に増えてくる。