無荒史談130-日本仏教物語-山岳修験道2008/10/12 19:05

仏教に早く対応したのが意外にも山岳修験道ではないか。古い修験修行の場が開かれたのは、仏教伝来よりそう遠くないようだ。あるいは古くから修験場があり、そこに何らかの形で仏教が入り込んだのかも知れない。古くからの呪術に仏教が加わったのである。

修験道で有名なのが役行者である。彼は「続日本紀」の699年に流罪になった記録が残されているので実在の人物である。仏教は初め貴族階級に取り入れられたので、修験道に関わっているこのような人物の存在は異端と見なされたのかも知れない。弟子の韓国連広足の讒言で反逆者として流罪となっている。しかし、701年には冤罪として赦免されている。

山岳仏教は各所に道場を開いている。その例として四国88カ所を挙げると4ヶ寺は役行者を開基としている。ちなみに複数の開基者は弘法大師、行基菩薩と役行者の3人だけである。(聖武天皇の祈願寺は行基が開基となっている)

役行者の諮号は「神変大菩薩」である。皇室から送られた位では最も高い位である。但し、これは後世の江戸時代に光格天皇から贈られたものである。