無荒史談137-日本仏教物語-鎌倉新仏教 ― 2008/10/30 18:59
末法思想に対応するのに二つの手段が出てくる。瞑想による禅宗系と、名号による浄土宗系の二つである。ともに武士階級に受け入れられて発展した。それぞれが末法からの脱却を図ったものと言える。
禅宗は、殺伐な仕事を余儀なくされる武士にとって、瞑想することによる精神面の効果が受け入れられたのではないか。主要な武士に帰依されて発展している。ただ、禅宗は天台宗の一部であったこともあり、あまり激しく妨害されたことはなかった。
浄土系の各宗派は、名号を唱えることによる阿弥陀仏による救済という論理の元に下級武士や庶民階級に普及していく。微妙な教義の違いから多くの系統に別れていく。日蓮宗も同じようにして発生したと言えるのである。
浄土系宗派は、旧仏教から激しい攻撃を受ける。論陣を張った僧侶もいるが、暴力をふるって排除しようとしたグループもいた。また、日蓮宗は排他的な色彩が強く、全ての他宗派を攻撃した。
このような混乱の中で鎌倉新仏教は生き延びて無視できない勢力となっていく。
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