村木裁判その3-議員案件にとらわれた検察のミス ― 2010/09/12 18:48
無荒老なりに検察の完敗構図を描いてみた。
とにかく大事件と張り切ったのである。民主党の大物議員が絡む疑獄を想定したのである。
ここで大変な過ちを犯した。議員が絡むので有力官僚の介在があると見たのである。その標的が村木氏であつた。
ところで今回明らかになったのは供述調書なるものが検察の作文であることである。つまり今回は石井一議員の関与を前提として作られた物だと言うことである。
供述調書は整合性が無くてはならぬので核「被疑者」は検察の示す「供述調書」のサインを強いられた。この供述調書の内容が一部でも否定せざるを得ないと検察が作ったストーリーが狂いかねないのである。
ところが検察の書いたストーリーの中で最も肝心要の石井議員の関与が歴然たる証拠で捏造であることが露呈してしまった。
ここで検察の完敗となることが出てきたのである。検察がこの時点で作文した供述調書を書き換えれば少しは救われたであろう。しかしそれは出来なかった。即ち一部に検察の作文を認めさせてしまったからである。
後はご存じのとおりである。弁護側に供述調書と客観的証拠との矛盾を衝かれ判事の心証を悪くしてしまったのである。
この判決は他の類似の裁判に影響を及ぼすこと大であろう。例えば小澤金脈に関する大久保氏の裁判でも供述調書の証拠採用の可能性が少なくなるのではないか。
検察は証拠を重視していく姿勢に転換しない限り被告側の攻勢に苦慮する事態が続くのではないか。当初想定したストーリーを柔軟に変化されるシステムが必要ではないか。
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