少年脳死からの移植-色々思う事2011/04/13 18:48

今回少年が脳死と判定され臓器移植がなされた。これに関する無荒老の所見を述べる。

未成年者に対する脳死移植が今まで強く主張されていた。ところが今回の場合、供給を受けた未成年者は1人であった。他の臓器を提供して欲しい未成年者はいなかっただろうか。移植ネットワークに聞きたい。

無荒老は脳死での臓器移植に反対である。理由は「人の不幸を当てにしなくてはならない医療は邪道である」という事だ。この外に派生した反対理由もある。

まず患者を脳死としないで回復させる医療は今後も進歩すべきだという事だ。つまりドナーを減少させる事は必要なのである。

次ぎに脳死となる患者と提供を希望する患者とのバランスの問題である。これに関するデータは見た事がない。脳死移植は必要な提供者を確保する手段など無いのではないか。

三番目に脳死移植しかないという事で新規な治療法の開発がなおざりにされる事はないのかという事と、脳死移植しかないという事で済ませてしまう事が起こる事への危惧である。

最後に膨大な手術費用の負担問題である。これは解決していない。どのくらいのコストがかかっているのか公開されたデータなど見た事がない。無荒老は1人の提供者当たり1億を下らぬ費用がかかっていると思っている。これを税金や健保料の値上げに転嫁するとすれば猛烈な反対運動が起こりかねない。

医学界は脳死移植よりもそれをしないで済ませるような技術の開発に重点を置くべきではないか。また、マスコミもこれに関する報道は出来ないのだろうか。