TPP交渉越年-多国間協定の難しさ2012/05/18 18:58

TPP協定の締結が越年するとのことである。貿易では2国間交渉と比べて多国間交渉が極めて難しいことの表れであろう。

多国間交渉では2国に比べて意見が一致する確率が少なくなるのである。ウルグアイラウンドが未だに完了しないのがそれを如実に示している。

米国が考えているシステムは多くの國が参加することで一部の國の反対を押し切るという手法らしい。しかし、現実には多くの國の利害関係を調整しようとすればシステムは緩い制限とならざるをえないのだ。そうすると米国が望む市場開放にはならないのだ。

勿論米国にも市場開放したくない分野がある。ところがそれを解放しないといけないようになりかねないのだ。

また、自動車のように米国が解放を迫ると自国も開放せざるをえず、日韓両国の参加に国内から反対が挙がるのだ。

自由化は今後は相互解放とならざるをえないであろう。それを日本農業界が考えれば、農産物輸出に対する研究を進めるべきと思うが。