「平清盛」-史実はこうだ3-源氏と平氏2012/05/19 19:01

源平合戦は桓武平氏と清和源氏の興亡として物語られている。しかし、実態はそうとは言い切れないのだ。

源平合戦の時の源氏とは、義朝を初代とする家系と思って差し支えない。平氏は忠盛を初代とする家系なのだ。その他の清和源氏も桓武平氏も源平合戦では主君のために戦ったと言うことになる。

源氏の武将を例にとるのが分かりやすい。北条、上総介、千葉、三浦、和田、土肥、梶原、大庭といった諸将はれっきとした桓武平氏なのである。彼らは戦の先頭に立って同じ桓武平氏の清盛の軍と戦ったのである。逆に清和源氏の佐竹氏や木曾義仲は頼朝の手で討伐されている。

当時の武将は主君の「家人」となっている。そして主君のために戦うのである。それが自分の家の繁栄に繋がるのである。

源氏の家人であった斉藤実盛は義朝死後平家の家人となった。そして平家のために戦って北陸で戦死するのである。

源平は、保元の乱では同盟軍である。その後抗争することとなった。

この両家は二代目の清盛と頼朝で全盛期を迎え、次の代で滅びる点はよく似ているようだ。

あるいは軍記物語の作者たちが物語を面白くする脚色のためことさら源平の対立を作り上げたかも知れないのだ。それが歴史に繁栄された可能性もあると無荒老は考える。