脳死移植-無荒老の基本的な疑問 ― 2012/06/15 19:08
6才未満の幼児からの臓器提供が話題となっている。この際、無荒老が抱いている疑問を明確にしておく。無荒老は脳死移植に疑問を持っている一人である。
無荒老はまず脳死移植に対して、これは「人の不幸を当てにする」というものであり、医療としては邪道と考えている。今の所暫定的な治療法と考えており何れはなくさねばならぬものと思っている。
NHKのニュースでは脳死移植を待っている幼児の数が示された。十数人かそれよりやや多いと印象を受けた。-数える時間がなかったので画面を見た感じである-ではこの要望を満たすにはどれだけの脳死者が必要だろうか。
これは幼児だけの問題ではない。移植を希望する人の数と脳死者との数がバランスが取れているだろうか。無荒老は疑問に思っている。そして寡聞にしてこれに関するデータにお目に掛かっていないのだ。
日本では毎年115万人くらいの死者が出ている。しかし、この大半は移植に適さない高齢者ではないか。また、脳死の段階を確認できる事例がどのくらいあるかも公開されていないようだ。
一方で移植希望者が毎年どのくらい出ているかも公開されていない。つまりどのくらいのドナーが必要なのかも示されていないのだ。
邪推するとこれらのデータは故意に非公開とされていないか。つまり脳死移植で全ての希望を満たすことは到底不可能と言うことになりはすまいかと言うことだ。そうなると世論に影響するだろう。
もうひとつ問題点を感じている。それは費用の点だ。脳死移植には多額の経費がかかる。現在は研究費で処理されている面があるようだ。しかし、それでも治療費負担は多額であろう。移植事例が増えると研究費で処理しきれなくなる。その際どうするかである。
多額の費用を負担するために健康保険料や税金を増やすとなれば移植反対を掲げる人々が急速に増えるであろう。となると保険外とせざるを得ないだろう。つまり「金持ちのための医療」となりかねないのだ。
無荒老は思う。移植しない治療法の開発にもっと研究費を使うべきである。「臓器移植は邪道の治療法だから」
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