農業成長戦略-球は農業界へ投げられた2013/02/19 16:54

農業成長戦略が公表され、農産品輸出が成長戦略の柱となった。この構想に今度は農業界が答える番ではないか。

日本の農業の改良力は凄まじいものがある。よい例がコメである。2012年の食味のナンバーワンは魚沼のコシヒカリではなくなった。それだけ各地のコメ改良の努力がすごいのである。ちなみに2012年の一位は熊本の「森のくまさん」である。

コメだけではない。柑橘類では数十の銘柄が味を競っているのだ。改良が進んでいない品種は売れなくなっているのだ。

これから見ても日本農業は国際的に十分太刀打ちできる潜在能力があると言えるのだ。現にコメも輸出しているのだ。

従って農業成長戦略で輸出拡大というのは理解できるのだ。勿論国内市場は少子高齢化-人口減-健康志向など市場が拡大することは望めないが。

しかし、日本の農産品を輸出するが輸入は困るというわけには行かないであろう。狙いは農産品貿易黒字とすべきではないか。それから見ると成長戦略に示された数字は低すぎると思う。これは当面の数字と心得よう。

農産品を輸出することで農業新規参入の動機付けになるだろう。限界にある国内市場だけでは若い人にやる気を起こされることは困難ではないか。

「虎穴に入らずんば虎児を得ず」である。輸出に活路を見出すか。国内市場でじり貧となるか。球は農業界に投げられたのではないか。