無荒史談142-日本の戦-歴史書以前1-神武東征伝説2008/11/14 19:04

皇室のご祖先は瀬戸内海を経由して大和の国に入ったという伝説を記している。このような伝説の中には架空と思われていたものが考古学的に後で照明されたものが少なくない。例えばギリシャのトロイ戦争物語であり、中国殷王朝の物語であったりする。これからすれば中国の夏王朝も存在を証明する証拠が見つからないとは言えないし、メソポタミヤのギルガメシュ賛歌の中の出来事の中にも証明されるものが出てきてもおかしくない。ただ、そこには既に文字があったのである。

日本が建国された頃は、日本人は文字を使うことは出来なかったであろう。先人の活躍も口伝以外になかったのである。しかし、この伝説を全て荒唐無稽のものと考えるのは誤りと思う。

皇室の御祖先は、大和を目指している。そこから先に進む気はなかったし、代わりの土地に落ち着く意志もなかったようだ。当時の大和はそれだけの価値のある場所だったのであろう。大阪湾からの侵攻に失敗し、迂回して南から進出に成功している。これらの活躍は一人の英雄である神武天皇のものになっている。これもお一人のものか数人の事績なのかは今となっては分からないのである。その当時先進地域であった九州から未開地の近畿へ進出したものであろう。