無荒史談77-院政の上皇-後水尾上皇2008/05/02 18:55

江戸時代初期に皇位におられた方である。徳川幕府に対抗して皇室の地位を少しでも上げようと努力されている。そのために徳川将軍の血を引く明正天皇を即位させたりしている。

上皇(法皇)として51年間院政をされている。これに親政の19年を加えると70年間最高の地位にあったことになる。これは年代が明確になってから最高の治世である。これに匹敵するのは昭和天皇(摂政時代を含めて)の67年位である。後陽成上皇が院政されたとしても6年であるから差し引いても64年間である。

上皇の治世は徳川幕府との交渉に明け暮れた。4代の将軍との駆け引きがあつたのである。治世の終わりは奇しくも5代将軍徳川綱吉の時代の幕開けとほぼ同時である。上皇の治世の間に天皇と将軍の関係は明確になったと言える。

徳川将軍に皇室の威厳を示す為に努力された帝王と言える。