無荒史談番外-忠臣蔵2013/12/13 16:57

まずは発端。浅野内匠頭は10年以上前にやはり勅使供応役を務めている。習わなくても出来ると思っていたと思われる。ところがその記憶は定かでなかったようだ。

内匠頭は今でいえば知的所有権に対価を払わなかったのである。それは勘違いによる手違いとして自分に降りかかったのだ。吉良上野介は、コンサルタントフィーが収入源である小大名なのだ。只で教えてくれるはずがない。

事件の際の行動も理解に苦しむのだ。斬りつけたのは脇差しである。また、多人数がいる場所で斬りつけており、直ぐに取り押さえられた。暗殺しようとするには何とも不細工である。これから見るとあまり武芸は達者でなかったという気がする。

則切腹であるが、これは規定どおりと見てよい。吉良上野介にお咎めなしも規定どおりと見てよい。仇討ちは理論的に根拠が薄いのだ。幕府の裁定に文句を付けた反逆なのだ。

幕府の裁定に徒党を組んで殺人をして抗議しようと言うのは何とも筋が通り難い話なのだ。要は反乱罪に当たるのだ。

場合によっては武士の身分を取り上げて打ち首となってもおかしくなかったが、自首したことで切腹として処分されたと言える。

この史実が歌舞伎や講談の作家の手が入ると美談として名作となるのである。文芸作品の威力や恐るべし。

恐ろしい雷神が学問の神様となった菅原道真、増長して処分受けた反逆者が悲劇の英雄となった源義経、江戸の文学作品が今日に影響した例は多いようだ。