無荒史談50-歴代の中で疎略に扱われた帝6-光厳天皇2008/02/22 19:27

正式に帝位にありながら北朝初代として扱われている帝である。ところが北朝は帝の即位時には存在していなかった。勿論南朝もなかった。

皇位の継承を三種の神器に基づくとすれば、後醍醐天皇の次は光厳天皇であり、その後に後醍醐天皇の2度目の治世が続くとすべきである。つまり現在の歴代の計算は2代少なくなっているといえる。

現代の歴代の計算は、後醍醐天皇が光厳天皇の即位を否定しその治世を抹殺したのをそのまま引き継いでいるのである。そのため南北朝時代以前の治世の帝であるにも拘わらず、北朝初代として扱われているのである。

光厳天皇の数奇な生涯は、太平記に語られているのが有名である。第39巻の内容にはいくらか脚色もあるではあろうが、武士の戦乱に直接巻き込まれになっている御生涯が記してある。今ならPTSDになりかねない事件-北条氏六波羅探題軍が目の前で集団自決、南朝の為に拉致されるなど-に数多く遭遇さている。最後は出家され、都を自ら離れて生きられた。強固な意志をお持ちの方であったのであろう。

歴代の中で疎略に扱われた帝達終わり