サマータイムの問題点-企業編その12008/06/14 19:13

サマータイムの問題点について先に高齢者などの弱者について述べたが、今回は企業の問題点について述べてみたい。それは中小零細企業では「サマータイム倒産」の危険性があるからである。

誰が計算したのか知らないがサマータイムにコンピューターソフトを切り替えるのに300億円がいるということだ。それではこの経費を誰が負担するのであろうか。

一つは政府が丸抱えすることであるが、これはとうてい実現しないであろう。サマータイムの為に税金を使うことなど猛反対が起こるに決まっている。

となると企業が負担することとなる。ところがその日暮らしの中小企業ではこのような臨時の出費は困難であるのである。これらの企業はこの経費を製品価格に転嫁するなど不可能なほど取引の力が弱いのである。政府が通り一遍の通達を出したぐらいで取引先が「ハイそうですか」ということはないのである。

それでは低利の融資を考えるとしてもそれで解決する話ではない。借金は返さねばならないのである。中小零細企業ではそれが困難なところも少なくない。

残るのはただ一つ、サマータイム倒産である。

この対策で唯一有効なのは時計を動かさないことである。サマータイムなどやらないか、札幌方式を採るかのいずれかである。

なお、2000年問題の時と比較してみると、あのときは時間に余裕があったし、コンピューターソフトは数年ごとにバージョンアップしているので、余裕を持って対応できたのであり、経費も期間をおいて処理できた。今回のサマータイムでは余裕はあまりない計画である。経費の問題は短期の費用として表面化するのである。