無荒史談58-極東日本史(7)-高麗から李氏朝鮮へ2008/03/14 18:49

日本は元を撃退したものの土地や金など武功を挙げた武士達に与えるべきものは何も獲得できなかった。この為北条政権の基盤は揺るぎ始めた。そして南北朝の内乱時代に移っていく。

中国では元が英雄フビライの死後急速に衰えてきた。高麗は元の衰退と共に混乱状態となった。

このような状況下で、倭寇が発生した。取り締まるべき政府がどこも弱体化したのだからその勢いは収まらなかった。白村江の戦いの後、海上の主導権を失っていた日本が再び脚光を浴びてきたのである。

高麗の武将李成桂は倭寇との戦いに勝ち、ついには高麗から王位を奪って李氏朝鮮を建国した。継いで元に代わった漢民族政権の明と結びその独立が確保された。

なお、倭寇自体はなお猖獗を続け、明は九州の南朝に討伐を依頼する始末であった。しかし、倭寇は足利政権が安定するに従って貿易商に変化していく。しかし、足利政権の安定期間は短く、日本は戦国時代へと移っていく。この頃「倭寇」が明の南部で再び盛んとなるが、これは日本人に化けた中国人が主力であった。