「ドル安」という表現は判断を誤らせる ― 2008/11/18 18:55
「円高・ドル安」という表現をマスコミは使いたいのだが、これは経済判断を誤らせる危険性がある。
現在、ドルは安くなっていないと見るべきである。確かにアメリカ経済はよくなく、GMを初めビッグスリーなど大企業の不振の記事が目につく。そして円は高騰している。
ところが途上国の通貨はドルに対して下落しているのである。また、ユーロにしても下落しているのである。世界中で円と人民元だけがドルに対して上昇していると見ても過言ではない。
アメリカ大企業の経営不振は、アメリカの商品を主として購入していた諸国の経済不振によるものと見たほうがよい。要するに日本などと競合しない分野で相手の国の不況で参っているのである。
この具体的な証拠と言えば今回のG20で日本と中国以外から数値を示した話がでなかったことからも伺われる。中国は内需振興であり、日本は財政援助であった。
国際的な見地でドルが悪戦苦闘しているが、それよりも苦しい諸国が今回の「ブッシュ不況」で苦労しているのである。
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