無荒史談41-逆臣の尊皇6-北条高時2008/01/31 19:28

後醍醐天皇の倒幕の意志が露見した後にも、高時はすぐに対応していない。帝の近臣の処罰のみで過ごそうとしているのである。彼が後醍醐天皇に譲位を迫ったのは天皇が挙兵した後のことである。そして当時の皇太子であった光厳天皇の即位を実現しているのである。勿論天皇制に手を加えようとしたのではない。

高時は、北条氏歴代の中で御家人の把握が出来なかった只一人ともいえる。先代まで鉄の規律を保っていたともいえる御家人が、急にばらばらとなり、幕府の滅亡に結びついた。高時が御家人の大事さを解っていれば、あるいは後醍醐天皇の倒幕は成功しなかったかも知れない。ちなみに「太平記」の冒頭には後醍醐天皇、北条高時共に非常識な人物として表現された部分がある。