無荒史談164-日本の戦-幕末攘夷2009/01/21 19:04

徳川幕府の国内安定策は大成功であった。何しろ「武装蜂起」と言えるものは忠臣蔵の1件だけであったのである。しかし、時代が過ぎるとやはりガタが出てくる。大塩平八郎の乱がその手始めであろう。

ただ、泰平の世が続いたのには代わりはなく、軍事面での進歩は起こりようがなかった。江戸時代の初めは世界的にも一流の軍隊と言えるものが300年間も変化しなかったといっても過言ではない。

幕末になって欧米列強は日本に開国を迫る。日本側の心情は攘夷であった。鎖国を続けたかった。しかし蓋を開けてみると軍事力の差は歴然としていた。下関戦争、薩英戦争と完敗であった。そこで考えたのが「開国し外国の知識を吸収して富国強兵をし、攘夷に方針転換する」というものであった。

手痛い目に合った長州藩、薩摩藩を軸とした開国論が勢いを増してくる。「尊皇攘夷」が「開国倒幕」に看板を掛け替えることとなった。